2021年9月27日に、日本テレビが理系学生をターゲットとして行った「世界一受けたい日テレWeb 授業 技術編」。テレビ番組を支える制作技術や放送技術をはじめ、インターネット配信業務や新たな技術開発に携わる若手社員を招き、仕事の魅力を伝えるオンライン会社説明会です。
当日は、LivePark青山スタジオで収録をおこない、イベント参加型ライブ配信サービス『LIVEPARK(ライブパーク)』を使用して配信しました。
当日の様子やLIVEPARKを利用したご感想を、今回の企画に携わった日本テレビ人事局人事部の坂東和弥さん、御﨑芳仁さんに伺いました。
――新卒採用のためのオンライン会社説明会とのことですが、どのような経緯で開催されたのでしょうか。
御﨑さん 例年なら会社にお越しいただく形で入社希望者向けに体験型の説明会を開いているのですが、今年はコロナ禍のため実施が難しかったんです。そのためLIVEPARKを使って説明会のオンライン配信をおこなうことにしました。通常の説明会では全員が同時に登壇していたのですが、オンラインではわかりにくくなるので、2人ずつ登壇してもらい、司会者含めて3人での掛け合いの形式にしました。そうすることでそれぞれの表情や雰囲気がわかりやすくなったと思います。時間は2時間と長くはなりましたが、中身の濃い会社説明会になるように意識しました。
坂東さん 今回はLiveParkさんのスタジオから配信したのですが、テレビ番組の雰囲気を出すため、各登壇者のさまざまなカットを押さえられるようカメラを複数台用意してもらいました。カット割りなども工夫しています。前半に2人、後半に2人の若手社員が登壇し、技術職の仕事内容や就活エピソードについて説明しました。私が司会を務めたのですが、若手社員はこんなことを考えていたのかと驚く場面もありましたね。
――今回、LIVEPARKを選んだ理由についてお聞かせください。
坂東さん LiveParkは、日本テレビ(以下、日テレ)のグループ会社で、もともと日テレで一緒に仕事をしていたメンバーが多く、番組配信だけでなく映像や音声に関する知見が深いところが強みだと思い依頼しました。加えて、今回の配信に際しては日テレグループが配信プラットフォームとして新しい取り組みをしていることを学生にもアピールしたい目的があったんです。
御﨑さん 今回は、LiveParkさんのスタジオを使用して、カメラ、照明、音声含めて一括でお願いできた点も非常に助かりました。配信に加えてテレビの技術や演出を熟知したスタッフがいることで、今回重視していた「テレビ感」を演出することができました。
坂東さん ネット配信とテレビ放送のノウハウの両方を併せ持つところは、LiveParkさんの強みではないでしょうか。打ち合わせでも、ひとつ言うと「これどうですか?」とさらに上の提案をもらえたのはとても助かりましたね。安心して一緒にコンテンツを作り上げることができました。
御﨑さん 私達としては、新しいツールを試したい気持ちもありました。今後、世間的にオンライン説明会はますます増えていくでしょう。これまでZOOMやYouTube Liveを使って配信をしてきましたが、インタラクティブ性に富んだ配信が強みであるLIVEPARKを利用することでより新しい施策に挑戦できるのではないか、そして、その挑戦していく雰囲気や社風を学生にも伝えたいと思いました。
坂東さん また、学生さんたちが手軽に使えるところも魅力でした。過去、事前にIDとパスワードを発行するタイプの配信では、当日ログインできないといったトラブルが発生していたんです。LIVEPARKはURLさえあればアクセスできるので、視聴までのハードルが低いところもよかったですね。
――今回の配信でどのようなLIVEPARKの機能を使いましたか。
坂東さん 基本的にコメント機能をメインに活用しました。配信では視聴者から「仕事のやりがい」「入社してよかったこと」などリアルタイムで質問が寄せられます。コメントをその場で拾ってリアルタイムに返事するために、登壇者の前にコメントをじっくり確認できる大型モニターを用意いただきました。司会が手元のPCでコメントを探しつつ、登壇者に質問しているとコメントを見逃しやすくなりますので、そうした細やかな配慮はありがたかったですね。
配信前は「学生さんから少しリアクションがあればいいかな」くらいに思っていましたが、発言に対してすぐに反応が返ってきて真剣に聞いてもらえているのを肌で感じました。
――視聴者の反応は出演者側もうれしいですし、それを拾うことでより番組内容も双方向にスピード感あるものになりますね。
御﨑さん そうですね。配信を視聴する学生たちが、コロナ禍でオンライン配信やチャット機能に慣れてきたことも、盛り上がった要因かもしれません。
今までは質問があると3行ほどの長めの文章でコメントされる方が多かったのですが、最近は1行くらいの短いコメントが多くなってきました。コメントの長さにも移り変わりがあるようで、短文でぱっとコミュニケーションできるコメント機能は、学生さん側も使いやすいようです。
坂東さん 参加人数に制限がないことも助かりました。別のツールでは参加者数が制限を上回ると参加できず、双方にとって悲しいケースが起きていました。
また、ZOOMでの説明会はおこなっていたのですが、そのときは学生さんに顔出しかつ実名で参加いただいていました。今回の配信ではアイコンかつ匿名でのコメントを受け付けていたので、実名顔出しでは「聞くほどでもないか」とセーブしていた質問も多く出てきたように思います。それはひとつ発見でしたね。LIVEPARKと説明会との相性はかなりいいのではないでしょうか。
――オフラインの学生向け会社説明会との大きな違いはありましたか。
御﨑さん 番組中、登壇者のヘアスタイルに対して「地毛ですか?」というコメントが投げかけられていたのですが、通常の会社説明会で「質問はありますか?」と聞いても出てこないコメントですよね。特にオフラインの会社説明会では、ホールで何百人も集めて、挙手をして質問をするので、こういったライトなコミュニケーションはハードルが高いのです。
坂東さん そういった点では、オフラインよりもオンラインのほうが学生とフランクなコミュニケーションがとれたと思います。
御﨑さん また、オフラインの説明会ではどのような質問が飛んでくるのか予測できません。過去には時間が限られているにも関わらず、その人しか興味がないような質問が来て、もったいなかったといったこともありました。LIVEPARKでは流れてくるコメントの中から、多くの学生が聞きたいだろうと思う質問をこちらでピックアップするなど、コントロールできたので、安心して利用できましたし、より有益な情報を学生さんにお届けできたと思います。事前にNGワードを設定できるので、悪意のあるコメントをカットできるのもいいですね。
――今回の配信ではLIVEPARKの特徴的機能であるアンケートやタップ機能を利用する場面もありましたね。
坂東さん 事前に用意していたわけではなかったので少しハラハラしましたが(笑)。登壇者のひとりで、技術職からLiveParkさんへ出向した岸くんが、配信中にその場で仕込んで、アンケートやタップ機能といったインタラクティブな機能をたくさん使ってくれたんです。アンケートもタップも視聴者の反応がすこぶるよく、LIVEPARKのすごさをより実感できましたね。アンケート結果がリアルタイムですぐに確認できたことには驚きました。
御﨑さん しっかり事前に機能を盛り込んでおけばよりリッチなオンライン説明会を作ることができると思いました。2時間という長丁場の配信でしたが、視聴者が番組に参加する仕掛けを盛り込むことで、飽きずに番組を楽しんでもらえますし、体験価値の向上にもつながります。
今回の配信でも同時視聴者数は最後までほとんど減っていなかったようです。
坂東さん 実は、コメントで誰が何回発言しているかも、配信中に見ることができたんです。多くコメントしている方に「○○さん、たくさん発言ありがとう」といった声がけができれば視聴者がより番組に歩み寄ってくれると思います。今回は司会の仕事でいっぱいいっぱいだったのでそこまで余裕がもてませんでしたが(笑)。
御﨑さん より柔軟に機能を使いこなすためにも、サポートを置いた方がよかったかもしれませんね。
――今回、実施してみていかがでしたか。感想をお聞かせください。
坂東さん 楽しかったです。慣れない司会でしたが、リラックスして進行することができました。ただ、もう少し学生さんの質問をうまく拾えたら良かったなと反省しています。
イベント内で実施した、タップ機能で参加意識をつけてもらって、アンケートへつなぐ流れは、コメント以外でのコミュニケーションが生まれて良かったと思います。もっとアンケート機能を使いたくなりました。
御﨑さん 今回のLIVEPARKを使った配信は採用説明会としてベストな選択肢の一つだと思いました。視聴者のレスポンスを引き出しやすく、配信側からリアクションがすぐ返せるので、充実した双方向のコミュニケーションが取れて本当に使いやすいツールだと思います。
また遠方の方や、電車の中でも勉強中でも平行して視聴できるのが、こういった配信イベントのメリットです。実際に、今回の参加者の中には「別のイベントに参加しながら聞いています」という方もいらっしゃいました。
坂東さん 結局入社の決め手となるものは、どれだけ会社に愛着を持てたかだと思っています。日テレを受けてくれる学生を見ていると、説明会や採用面接を受けていくなかで「どんどん日テレが好きになりました」って言ってくれる人が多くて。
配信では登壇者同士がとても楽しそうに話しているのが印象的でした。そこに視聴者がコメントでツッコミを入れてまたコミュニケーションが加速していく。会社の売上や業務内容だけではなく、学生に会社やそこで働く社員の雰囲気を知ってもらうのってとても大切だと思うんです。それをいい形で実現できたのが今回のイベントだったと思います。
――今後の展望や希望について教えてください。
坂東さん また機会があればぜひ使いたいです。人事目線では、採用イベントの他に、入社式や社内表彰式でも使えそうだなと感じました。
御﨑さん 社内スタジオで撮影してプラットフォームはLIVEPARKで配信することもできそうです。リモートの会社見学や、スタジオでの配信風景を見せるコンテンツもいいですね。ほかには、ドラマやスポーツの過去の映像を見ながら、「次にどういうカットを撮る?」とアンケートをとって、実際のOAと見比べて、そのカットをチョイスした理由などを実際に演出したディレクターが説明する、といった企画もできると思います。
坂東さん それは楽しそうですよね。学生さんの参加意識もより高まりそうです。